焼肉屋の上タンより仙台の牛タンはなぜ美味いのか?

庶民の味

 

 

仙台牛タンは庶民の味だとされています。高価な上質の牛タンを厚切りにしたら、当然ながら価格もそれなりに高くなってしまいます。しかし、誕生した経緯からしても、庶民の味として安価に供する必要があります。従って、仙台牛タン焼きの場合は、脂肪の付いた具合いが好ましい米国産でなくてはならないという考え方があるようです。

 

 

実際に材料の牛タンは殆ど輸入品なのです。一部では輸入物の牛タンを名物と称するのは疑問だという声もあるようで、地元高級和牛である仙台牛を使った牛タン焼きの店もあります。しかし、頑なに伝統を守ってアメリカ産牛肉を使っている店がやはり多く、「仙台名物」というのではなく、料理法や食べ方が仙台での発祥であるして「仙台発祥」と表現する店もあります。

 

 

定番となる牛タン定食は、牛タン焼き(塩味・タレ味・味噌味ほか)、麦飯、テールスープ(牛の尾部を塩で茹で、刻み葱入り)、みそ南蛮(青唐辛子の味噌漬け)、浅漬け(白菜・キャベツ・胡瓜など)という組み合わせです。

 

 

牛タン焼きをのせたどんぶりめしもあります。この場合は麦飯とは限らないようです。最近は牛タン弁当という駅弁としても販売されています。「牛タン丼」のようにご飯の上に牛タン焼きがのっているものと、別々に分けられている場合があり、加熱式もあります。これは二重容器の底部に発熱剤が入っていて、紐を引くと弁当が加熱されます。これなら旅のお供にも最適です。